今回は千葉県山武市の『相葉苺園』の相葉英樹 様を訪問しました。
山武市成東町には21軒のイチゴ観光農園があり、イチゴ狩りにおいて関東最大級のエリアです。
特にイチゴの売店とイチゴ狩りハウスが集中して軒並ぶ国道126号線は、通称“ストロベリーロード”と呼ばれています。
山武市のイチゴ観光農園を盛り上げるべく、観光農園の皆様で「山武市成東観光苺組合」を運営されています。
山武市成東苺観光組合はおいしい苺を消費者の皆様に直接お届けしたいとの願いのもと、1983年にスタートし、今年で40周年を迎えられます。
各観光農園では、苺の栽培方法の工夫以外にも、観光農園のバリアフリー化や、イチゴジャムをはじめアイス・ジェラート・イチゴ大福などのイチゴ関連商品の開発、ポピー摘み体験など、多方面で創意工夫をされております。
また、組合全体で20品種以上ものイチゴを栽培されており、希少品種をはじめ、様々な品種の食べ比べができるようになっています。
今回訪問した相葉苺園さんは、1975年に開園され、今年で48年目を迎えるそうです。
組合設立以前からイチゴを栽培されている、非常に歴史ある観光農園です。
園主の相葉英樹さんは、昨年まで県内約300軒以上の生産者からなる「千葉県イチゴ連合会」の理事に従事され、メディアにも多数出演経験のある著名な生産者です。
【相葉苺園 相葉英樹 様】
以下、相葉英樹さんにお話を伺いました。
ー 栽培面積を教えていただけますか?
約1.1haです。ハウス43棟で栽培しています。
直売向けは土耕栽培、観光農園は高設ベンチでの栽培をしています。
土耕と高設の構成比率は4:6ですね。
高設栽培では味の良さはもちろんの事、お子様やご年配の方、御来場いただいた皆様が楽しめるよう、歩きやすさや摘み取りやすさを考えた設計にしています。
バリアフリー化し、車椅子の方にも楽しんでいただけるようにしています。
また最近では、新型コロナの対策として、ハウスでイチゴを摘み取った後に密にならないようにイートインスペースを設け、衛生面にも配慮し、安心してイチゴ狩りを楽しんでいただけるような工夫をしています。
【相葉苺園のイートインスペース】
ー 相葉苺園さんでは、希少品種を含めて多数の品種を栽培されていると伺いましたが、何品種栽培されているのでしょうか?
常に約30品種を栽培しています。
チーバベリー、真紅の美鈴(黒いちご)、章姫(あきひめ)、ふさの香、とちおとめ、紅ほっぺ、 やよいひめ、かおり野、おいCベリー、桃薫(とうくん)など、他にもあまり聴きなれない品種も栽培しています。
常に15種類程のイチゴを食べ比べいただけます。
ー 潅水について教えて下さい。
ご使用されている潅水資材は何でしょうか?
現在、土耕栽培にはスミチューブウエシタ、高設栽培にはネオドリップウエシタ04Lを使っています。
ー 弊社潅水チューブをご使用されての感想をお聴かせください。
以前使用していた潅水チューブでは、ハウスの奥まで均一に水が行かず、畝の手前と奥で生育差が生じ困っていました。
また、うちの水源は貯水タンクに溜めた水なので、使用できる水量が限られますから、水を一滴も無駄にできません。
そんな中、以前使用していた潅水チューブは、畝を飛び越えて通路に落ちる水の量が多く、潅水の効率が非常に悪く困っていました。
そんな課題があった中、導入したスミチューブウエシタとネオドリップウエシタ04Lで、それらの問題が解決できました。
60mのハウスでも奥まで均一に潅水できるようになりましたよ。
また、土耕栽培で使用しているスミチューブウエシタは、霧状のやさしい散水で水が土壌に効率よく浸透して生育ムラが大幅に軽減できました。
表(おもて)面の孔は、やさしい霧状の潅水ができ、定植後の葉水潅水による活着促進に有効です。
対して裏面の孔は、横飛びの孔なので、マルチ展張後の株元への潅水に有効だと感じています。
高設栽培で使用しているネオドリップウエシタ04Lは、他にはない二重管構造のチューブで、飛び幅と水量が抑えられている点がいいですね。
散水の飛び幅が30㎝に収まるので、幅の狭いベンチでの栽培にも使用できます。
また、散水量も少ないので効率的な潅水ができるようになりました。
おかげで潅水の無駄がなくなり、収量がアップしました。
安定したイチゴの生育が確立できたのは、潅水チューブを変更したウエイトが非常に大きかったですね。
それと住化農業資材さんの潅水資材は、潅水チューブだけでなく、ネオドリップウエシタ用の保持具(ネオドリップ・M用保持具)や使いやすい継手など、周辺資材も充実していてすごく重宝しています。
ー 弊社潅水資材をご愛用いただきありがとうございます!
ー イチゴの潅水管理について教えて下さい。イチゴ栽培において、特に潅水管理が重要な時期はありますか?
特に気を遣うのは、定植から約2週間の活着の促進の時期です。
それと、11月頃までにクラウンから発根した新根をしっかりと張らすことができるかが肝です。
イチゴは冬に作る品目です。
寒さに強い株を作るために、特にこの時期の『水』のコントロールは重要だと考えています。
【相葉苺園のイチゴ高設栽培】
ー 最後に相葉さんの経営のビジョンを御聴かせください。
千葉県内の高速道路が発展したおかげで首都圏、近県からの成東へのアクセスが非常に良くなりました。
千葉県内のほかのイチゴ観光農園のエリアは、近隣にアウトレットモールなどのレジャー施設も多くありますが、成東はイチゴだけで勝負しています。
「成東の美味しいイチゴを食べたい!」とお客さまに言っていただけるよう、また山武市成東観光苺組合全体で成東を盛り上げ、魅力ある農業を作っていきたいですね。
熱いビジョンをもって日夜創意工夫してイチゴを作られている相葉英樹 様、今回はお話を聴かせていただき真にありがとうございました。
これからもよろしくお願いいたします!
【山武市成東観光苺組合 様 ホームページ】
https://sanmu15.com/index.html
【相葉苺園 様 ホームページ】
【スミチューブウエシタ 製品情報サイト】
https://products.sumika-agrotech.com/irrigation/products/genre/spray/sumi_tube_uesita/
【ネオドリップウエシタ 製品情報サイト】
https://products.sumika-agrotech.com/irrigation/products/genre/spray/neo_drip_uesita/